エコノミスト

下の投稿で森永卓郎等の名前を挙げたわけですが、
経済学徒は概ね「学術業績がないのに表に出たがるエコノミスト(経済学者)」や、
「学術業績は多少あっても何らかの利益のためにいい加減なことを表で言う学者」などを
嫌うかもしくはバカにします。
前者の例が森永卓郎金子勝など、後者の例が竹中平蔵などです。

しかしながら、上に挙げたどちらにも属しないけれどもテレビなどでちゃんと発言する学者
というのも少しはいて、例えば伊藤隆敏先生などはそれに該当します。
とは言ってもこういう人は日本だと稀有な存在です。

アメリカだとクルーグマン、スティグリッツといった学術的にも超一流の人が
割と表に出てくるし、FRB(日本で言うところの日銀)のトップであらせられるバーナンキも
学者としては一流です。
一方日銀は八重野、速水、福井などのどれをとってもそういう人はいません。

マスコミに出て世間的に影響の強い発言をする人や、または実際に経済に影響を与え得る
政策の決定者というのは経済に関する非常に深いバックグラウンドをもっている必要が
ありますが、それが全く満たされていないというのが日本の現状なわけです。
日銀はそこからの脱却を図ろうとしてるように見えるので今後に期待していますが、
マスコミに出る人というのはこれからもあまり変わらないのではないでしょうか?

理由は、森永みたいなのばかりテレビに出そうとするアホなマスコミが悪いというのも
ありますが、むしろ日本の一流学者がマスコミに出ようとしないというのが
大きいように思います。


■論文を引用された回数の多い日本の経済学者■
雨宮  健 米スタンフォード大教授   2988
青木 昌彦 米スタンフォード大教授   1346
速水佑次郎 政策研究大学院大教授    1332
林  文夫 東京大教授         1167
藤田 昌久 京都大教授          915
青木 正直 米UCLA大名誉教授     835
森嶋 通夫 英ロンドン大名誉教授     828
宇沢 弘文 東京大名誉教授        815
清滝 信宏 英ロンドン大教授       720
伊藤 隆敏 東京大教授          597
根岸  隆 東洋英和女学院大教授     539
浜田 宏一 米エール大教授        490
松山 公紀 米ノースウェスタン大教授   460
神取 道宏 東京大教授          451
ホリオカ,チャールズ・ユージ 大阪大教授  414
金子  守 筑波大教授          351
奥野 正寛 東京大教授          339
佐和 隆光 京都大経済研究所長      332
金本 良嗣 東京大教授          292
小宮隆太郎 青山学院大教授        285



これは日本人経済学者の論文引用数ランキングですが、
この中の名前を知っている人というのは少ないと思います。
アメリカ人のホワイトカラーであれば誰でもクルーグマンを知っていますが、
日本人のホワイトカラーの大半は大学などで直接的な関係があった人を除き、
この中の殆どの人と知らないのではないかと思います。
(マクロの先生がこの中に林、伊藤、青木(正)、ホリオカくらいしかいないから、
というのも大きな原因ですが…)

彼らの中の一部がもう少し表に出てくれればなぁ、と多くの経済学徒が思っているし、
今後はそういう人も出てくるんじゃないかと期待しています。
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by pastimeparadise | 2006-05-22 01:28


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